「え〜〜ということで1254年、この世界を震撼させる出来事が起こった。
そう、新大陸の発見である。あ〜、嵐に巻き込まれて遭難し行方が分からなくなっていたテトラ第3海軍、
ミケル大佐の率いる軍船が4年ぶりに王都に戻って来た時の新大陸発見の報告はすぐに全世界に広まりました。」
「で、すぐにテトラ、ハイン、サーフィスら大国が新大陸の領有権を巡って戦争になったんですよね?」
「そういうことです、しかし、この戦争はわずか1年で終結しました」
「新大陸の主たる竜王『バーメルド』が数千にのぼる竜族を率いてこの大陸まで来て新大陸の自治権を訴えたんですよね」
「そういうことです。それで・・」
「まっさかそんな数の竜族と闘う訳にもいかんよって大陸の国々はあっさりと自治権を承諾した、っと」
「そういうこです、それで・・・」
「でも、彼らは我々人間に限られたエリア内ではあるが領土を解放した。
一切の国間の戦争は禁止したうえで人間の居住、土地の開拓を許した・・・・」
「そういうことです、それで・・・」
「しかも限られたエリアはとはいってもなんと旧大陸並みの大きさだったのよね。
しかし、同時にそのほとんどの地域が未開、しかし、軍などによる開拓は許されなかった。
そこで冒険者という職業が未開を探索し、時には開拓するために登場したのよね。」
「そういうことです、それで・・」
「せんせ〜もう歴史はいいから冒険者になるための実技に入りましょうよ〜」
〜アドベンチャラーズ学院1−Aの授業風景より〜


1256年より新大陸の探索が始まって50年以上たちますがまだまだ未開の地は残されています。
それは同時に一攫千金を求めるもの、ロマンを求めるものを問わず多くの冒険者を誕生させることになりました。
しかし、もともと素人が武器を持っただけという冒険者がほとんどで彼らの多くは夢半ばに散っていくことになりました。
戦闘力、直感、用心深さ、注意力・・・それら冒険者の素質に恵まれた極一部の者だけが冒険者として成功しました。
しかし、そのわずかな冒険者達だけでは新大陸を探索しきるのにどれだけの時間がかかることか・・・
天に選ばれたともいえる冒険者の中でも『最初にして最高の冒険者』とまでいわれたリクス・サーシュは己の肉体の
衰えを感じるうちにこのままでは永遠に新大陸を探索しきる日が来ないのではないか?
そんな恐怖にかられました。
ある日、彼はかつての冒険者仲間達に呼びかけ、一つの案を伝えました。
それは自分達が培って来た冒険者としてのノウハウを若いものたちに教え、冒険者を増やすというものでした。
彼らはそれまでの探索で得た財宝で大きな学院を作りました。
それがアドベンチャラーズ学院、まだ開校して5年目ですが入学者数はすでに学院が受け入れうる最大人数に達しています。